プレスリリース

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夏の特集展示
「戦争の時代の藤田嗣治 1936-1945年」

開催期間会期
※掲載申込み受付終了

軽井沢安東美術館(長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43番地10)では、夏の特集展示として、「戦争の時代の藤田嗣治 1936-1945年」を2023年8月3日(木)より9月12日(火)まで開催いたします。本企画では、当館が所蔵する100号のポスター原画《勇敢なる神風特攻隊》(1944年頃)の初公開とともに、この時期に描いた《佛印・河内、安南人町》(1943年)、《武漢三鎮陥落の日》(1938年頃)などもあわせて展示します。この時代に藤田が何を思って制作をしていたのかを、当館コレクションにある作品を通じて「戦争の時代の藤田嗣治」を考える機会としたいと思います。

軽井沢安東美術館 展示室
(写真左)《勇敢なる神風特攻隊》1944年頃 油彩・キャンバス

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新着情報

  • NEW 藤田嗣治の貴重な自筆の手帳が初展示!本展にて、現在公開中です。
    様々なエピソードや藤田の心情が細かく綴られた貴重な自筆の手帳が、夏の特集展示「戦争の時代の藤田嗣治 1937-1945 年」にて公開中!

    今回、初展示となるこの手帳は、パリに滞在していた藤田が戦況の悪化により、パリを離れることとなった1940年5月23日の直前、同年4月14日までの記録です。
    藤田が肌で感じとったヨーロッパのリアルな情勢や、戦時下のパリでの生活の様子など、藤田独特の手書きの文字でびっしりとページが埋められています。当時の藤田の心情を読み取ることができる貴重な資料となっています。

    詳細は、下記のプレスリリースをご参照ください。
    ぜひ貴媒体にて、お取り上げいただき、広くご紹介いただければ幸いです。
    ご取材希望の際は、下記の広報お問い合わせ先までご連絡ください。
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展覧会概要

日中戦争が勃発した1937年、日本に帰国していた藤田は、そのまま定住をする決意とともに、東京・麹町六番町に自宅兼アトリエを構えて、精力的に制作をつづけます。1939〜1940年は一時的にフランスと往復はしたものの、戦中戦後の動乱の世を日本において過ごしました。

「絵筆で戦時貢献すべし」という軍部の協力要請により作戦記録画(戦争画)を制作した同時代の画家たちのなかでも、とりわけ力を注いだ藤田は、画家としての使命をもってこの国家的事業に取り組みました。時代の要請にしたがい、画家としての責任を果たそうとしたのです。しかし、敗戦後の藤田を待っていたのは、戦争画家としての責任を問う美術界からの誹謗と中傷でした。結果、藤田は1949年に日本を発ち、ニューヨーク経由でフランスに。二度と再び日本の地を踏むことはありませんでした。

本企画では、当館が所蔵する100号のポスター原画《勇敢なる神風特攻隊》(1944年頃)の初公開とともに、この時期に取材して描いた風景画《佛印・河内、安南人町》(1943年)、《武漢三鎮陥落の日》(1938年頃)を展示いたします。

また、土門拳記念館のご協力により、士門拳が撮影した1941年当時の藤田のアトリエにおける日常を紹介するとともに、藤田自身がつづった自筆の手帳などの貴重な初公開資料もあわせて展示しています。同時代の藤田自身が残した言葉や、当館コレクションにある作品と資料を通じて、「戦争の時代の藤田嗣治」を考える機会としたいと思います。


展示作品・資料
■ 1930年代~1940年代に藤田が描いた作品
■ 今回初公開となる「1939~1940年を綴った藤田直筆の手帳」
■ 土門拳が撮影した藤田のポートレイト写真資料(協力:土門拳記念館)
■ 藤田と画学生たちの当時の交流資料(集合写真/協力:無言館)
■ 藤田がてがけた同時代の装丁本・絵葉書など
■ 藤田嗣治、石井柏亭、中村研一ほか『大東亜戦争 海軍美術』(1943年/大日本海洋美術協会刊)

展示作品解説

軽井沢安東美術館 展示室(中央)《勇敢なる神風特攻隊》1944頃、油彩・キャンバス(左)《群犬》1936頃、水彩、墨・紙(右)《佛印・河内、安南人町》1943、油彩・キャンバス

軽井沢安東美術館 展示室
(写真左)《勇敢なる神風特攻隊》
1944年頃 油彩・キャンバス

《勇敢なる神風特攻隊》1944年頃 油彩・キャンバス
藤田の父嗣章は、小説家で医師の森鵡外の後任として陸軍軍医総監の地位に就いた人物であり、藤田の兄嗣雄の妻モトも陸軍大将児玉源太郎の娘であった。このように藤田家は陸軍と深い繋がりがあり、藤田が軍部に協力した背景には家柄の影響もあったであろう。《勇敢なる神風特攻隊》は、戦時下の宣伝ポスターや絵葉書の原画として制作されたものであろうか。日本刀を傍らに構えた航空兵の図像は、当時のスローガン「撃ちてし止まむ」の広告図像にもしばしば見られるものである。威厳に満ちた姿が低目の視点から表現され、鑑賞者は兵士を仰ぎ見る感覚を抱く。背景描写も顔の背後の部分だけ空が明るくなっており、後光が射しているかのようだ。画中の文字「日本に一億の特攻隊あり」から、特攻隊が生まれた戦争末期に描かれた作品と推測される。


藤田のポートレイト写真資料

藤田のポートレイト写真資料
いずれも土門拳撮影 1941年

藤田のポートレイト写真資料
1937年に新築した東京麹町六番町のアトリエで、藤田は戦中戦後の日々を過ごしたが、その日常に密着して藤田の姿を撮影したのが、当時まだ若き写真家土門拳だった。
「土門君の出来上がった写真を見て私は驚いたのであった。私の表情をこれ程迄つかんだ写真を写した人は土門君より外にないと思った事であった。私の性格を捕らえることに成功したのは全く土門君であった。」(『写真文化』1943年3月)
トレードマークのおかっぱ頭を丸刈りにして、自らの変容と祖国の非常時への覚悟を示した藤田の1941年当時の姿と、画家の日常を切りとった貴重な写真の数々を紹介する。

藤田嗣治 自筆の手帳(1939年9月~1940年4月)
藤田嗣治 自筆の手帳

藤田嗣治 自筆の手帳(1939年9月~1940年4月)

藤田は、生涯にわたって日々の出来事や、制作している作品のことなどを細々とつづる習慣があった。残された日記帳は最後の妻である君代夫人が所有しており、夫人亡き後は、そのほとんどが東京藝大に寄贈され、年譜形式の記録集『日々の記録』という形で公開されている。当館が所蔵するこの1939年9月~1940年4月までの藤田の手帳は、日記よりもさらに詳しいエピソードや時々の心情などもつづられており、おそらく『日々の記録』を補完するかたちで、藤田が別につけていた手帳だと思われる。今回展示したこの手帳は、パリに滞在していた藤田が戦況の悪化によりパリを離れることとなった1940年5月23日の直前、同年4月14日までの記録。藤田が肌で感じとったヨーロッパのリアルな情勢や、戦時下のパリでの生活の様子など、藤田独特の手書きの文字でびっしりとページが埋められている。当時の藤田の心情を読み取ることができる貴重な資料である。
なお、本資料は君代夫人のご遺族関係者より当館へご寄贈いただいた貴重な資料のうちの一部。ほかの資料とあわせて、今後、調査・研究につとめていく予定である。


藤田嗣治、石井柏亭、中村研一ほか『大東亜戦争 海軍美術』(1943年/大日本海洋美術協会刊)
藤田嗣治、石井柏亭、中村研一ほか 『大東亜戦争 海軍美術』

藤田嗣治、石井柏亭、中村研一ほか
『大東亜戦争 海軍美術』
(1943年/大日本海洋美術協会刊)

今回展示した『大東亜戦争 海軍美術』は、1942年刊行の『海軍美術』の続篇として海軍省後援によって刊行されたもの。カラー貼り込み35図版。掲載されている画家は、石井柏亭、藤田嗣治、中村研一、川端賓、石川滋彦、三輪晃勢、佐藤敬、矢澤弦月、藤本東一良など。総代の石井柏亭の巻頭の記述によれば、ここに掲載された作品は、海軍省が所蔵している作戦記録画と5月に開催された「海洋美術展」に出品されたもので、実際に現地で取材した画家たちの業績であり、直接展覧会で観覧できなかった人々にとっても意義のある記念出版であると述べられている。本特集では、このなかから、藤田嗣治、中村研一、石井柏亭など厳選した14点を展示。あわせて、『画論』第23号(1943年7月発行)に掲載された座談会「戦争と美術」から、藤田と中村の言葉を抜粋して紹介している。

ポンピドゥーセンター外観


左の作品をご希望の方は、広報担当までご連絡ください。画像使用料が別途必要となります。

《勇敢なる神風特攻隊》1944頃、油彩・キャンバス 藤田嗣治 軽井沢安東美術館蔵
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2023 E5264

開催概要

会期
2023年8月3日(木)〜2023年9月12日(火)
会場 軽井沢安東美術館
住所 389-0104 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43番地10 Google Map
展示室 軽井沢安東美術館 展示室3(一部)・特別展示室
時間
10:00ー17:00(入館は16:30まで)
休館日
水曜日(祝日の場合は開館。翌平日が休館となります)
観覧料
一般 2,300 円/高校生以下 1,100 円/未就学児無料
*チケットはオンラインでもご購入いただけます(オンライン予約:100円引)
*その他各種割引あります。
TEL 0267-42-1230
URL
【軽井沢安東美術館|公式サイト】
https://www.musee-ando.com/
SNS
交通アクセス JR 軽井沢駅北口より徒歩 8 分

同時開催

企画展「藤田嗣治 猫と少女の部屋」
開催期間:2023年3月3日(金)〜2023年9月12日(火)
現在、当館にて、企画展「藤田嗣治 猫と少女の部屋」が9月12日(火)まで開催中です。
本展では、藤田が約1年というニューヨーク滞在中に描いた貴重な作品《猫の教室》(1949年)を展示室5にて初披露いたします。また、当館開館のきっかけとなったコレクションの最初の1点《ヴァンドーム広場『魅せられたる河』より》(1951)のほか、全5点の初公開作品を含む、約120点の作品をお楽しみ下さい。
https://www.artpr.jp/musee-ando/fillettes-et-chats
本展の広報用画像は、下記よりご申請いただけます。
【企画展「藤田嗣治 猫と少女の部屋」オンラインプレスリリース】


書籍のご案内
書籍『藤田嗣治 安東コレクションより 猫の本』(軽井沢安東美術館編)が、世界文化社から2023年6月30日発売。
書籍『藤田嗣治 安東コレクションより 猫の本』(軽井沢安東美術館編)が、世界文化社から2023年6月30日発売。猫好き、アート好き、藤田嗣治ファンのみなさま必見。超絶繊細な藤田嗣治の猫が大集合!新収蔵品も含め、安東コレクション全ての「猫」を掲載。超絶繊細な藤田嗣治の猫が大集合した、永久保存版の猫本です。佐藤幸宏、林 洋子、室井滋らによる《コラム》も充実。

『藤田嗣治 安東コレクションより 猫の本』
軽井沢安東美術館・編 出版社 世界文化社 定価 2,600円(税別価格)
詳細は、下記よりダウンロードしていただけます。

広報用画像一覧

  • 画像説明軽井沢安東美術館 展示室
    (中央)《勇敢なる神風特攻隊》1944頃、油彩・キャンバス(左)《群犬》1936頃、水彩、墨・紙(右)《佛印・河内、安南人町》1943、油彩・キャンバス
  • 画像説明《額縁を作る》1941 撮影:土門拳 土門拳記念館所蔵
    ※トリミング禁止、文字載せは不可となります。
  • 画像説明《猫とくつろぐ》1941  撮影:土門拳 土門拳記念館所蔵
    ※トリミング禁止、文字載せは不可となります。
  • 画像説明軽井沢安東美術館 展示室
    (写真左)《勇敢なる神風特攻隊》1944年頃 油彩・キャンバス
  • 画像説明軽井沢安東美術館 展示室
    藤田のポートレイト写真資料 いずれも土門拳撮影 1941年
  • 画像説明軽井沢安東美術館 展示室
    藤田嗣治 自筆の手帳(1939年9月~1940年4月)
  • 画像説明軽井沢安東美術館 展示室
    (写真左)《父の肖像》1930年1月2日 鉛筆、墨・紙
    (写真右)《佛印・河内、安南人町》1943年 油彩・キャンバス
  • 画像説明軽井沢安東美術館 特別展示室
    藤田嗣治、石井柏亭、中村研一ほか『大東亜戦争 海軍美術』(1943年/大日本海洋美術協会刊)
  • 画像説明展示室5 撮影:Ryota Atarashi
  • 画像説明展示室2 撮影:Takahiro Maruo
  • 画像説明展示室3 撮影:Takahiro Maruo
  • 画像説明展示室4 撮影:Takahiro Maruo
  • 画像説明『藤田嗣治 安東コレクションより 猫の本』軽井沢安東美術館・編 出版社 世界文化社
    ※こちらの画像をご紹介いただきます場合は、32,400ピクセル以内の解像度でのご利用をお願いいたします。

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