プレスリリース
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アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦
兵庫県立美術館(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内])にて、「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」を2026年3月25日(水)より5月6日(水・振)まで開催いたします。本展では『アンチ・アクション』(中嶋泉[本展学術協力者]著、2019年)のジェンダー研究の観点を足がかりに、1950〜60年代の日本の女性美術家による創作活動を見直します。「アクション」の時代に別のかたちで応答し、独自の抽象表現を展開した14名の作品およそ120点を紹介。半世紀以上を経ても驚くほど新鮮な「彼女たち」それぞれの挑戦にご注目ください。
山崎つる子《作品》1964年 芦屋市立美術博物館蔵
© Estate of Tsuruko Yamazaki, courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa,Tokyo
展覧会概要
戦後まもなく、前衛美術の領域で大きな注目を集めた女性美術家たち。その自由な実験が、十分に目を向けられてこなかったのは何故でしょうか。
当時、女性の活躍を後押ししたのが、海外から流入した抽象芸術運動「アンフォルメル(非定形)」と、それに応じた批評言説でした。しかし、次いで「アクション・ペインティング」が導入され、豪快さや力強さといった男性性に結びつきやすい「アクション」が評価の中心となるにつれて、結果的に多くの女性美術家の作品が見落とされてゆくことになりました。
本展では『アンチ・アクション』(中嶋泉[本展学術協力者]著、2019年)のジェンダー研究の観点を足がかりに、 1950〜60年代の日本の女性美術家による創作活動を見直します。「アクション」の時代に別のかたちで応答し、独自の抽象表現を展開した14名の作品およそ120点を紹介。半世紀以上を経ても驚くほど新鮮な「彼女たち」それぞれの挑戦にご注目ください。
本展の見どころ
最新の研究に基づく歴史の見直し
近年、女性美術家の再評価が進むなか、本展では『アンチ・アクション─日本戦後絵画と女性画家』(ブリュッケ、2019年、第42回サントリー学芸賞受賞/『増補改訂 アンチ・アクション—日本戦後絵画と女性の画家』筑摩書房、2025 年)の著者・中嶋泉氏の学術協力を得て、ジェンダー研究の観点から日本の戦後美術史に新たな光を当てます。
時代背景に関する充実した情報
素材や制作方法に注目するアンフォルメルの隆盛は、ジェンダーの差異を問わない価値基準をもたらしました。しかし間もなく評価の中心はアクション・ペインティングへと移ります。本展では、いかにも英雄的で豪快な「アクション」という言葉に回収されない当時の多様な制作行為を「アンチ・アクション」として捉え直します。会場には、時代背景と本展のコンセプトを読み解く詳しい年表や、会場で集めるのが楽しい 14種類の無料ガイドも用意しています。
圧巻の代表作から知られざる実験まで
「アンチ・アクション」=それぞれの制作行為の幅広さを示すため、50〜60年代に抽象に取り組んだ美術家より、所属グループやスタイルの異なる14名の例を紹介。書籍『アンチ・アクション』で中心的に取り上げられた草間彌生や田中敦子らの圧巻の大作はもちろん、関係者のご協力により、赤穴桂子、多田美波、宮脇愛子らの初期作品や未発表作品も展示します。作家たちの知られざる創作活動と、新たな魅力に出会える貴重な機会です。
個性的なそれぞれの表現に注目!
本展では、驚くほど個性的な制作手法や素材が使用された作品を展示します。絵の具をスタンプのように捺したもの、アイロンで焼け跡を連続的につけたもの、アスファルトや竹、ピンポン玉などを用いた立体的な作品など、ぜひ間近で迫力を感じてください。
✔ 話題の展覧会と安藤忠雄建築のコラボレーション!
本展は2025年秋に豊田市美術館で立ち上がり、東京国立近代美術館へと巡回、 当館が最終会場です。 安藤忠雄設計の兵庫県立美術館ならではの展示で、作品をご覧いただけます。
✔ 兵庫会場にあわせた展示構成
14名の作品を年代や傾向に沿って並べるのではなく、身体、素材、空間などをキーワードに作品同士を緩やかにつないでいく斬新な構成です。会場ごとに姿を変える展示は大きな見どころです。
✔ 兵庫ゆかりの作家の大作が登場!
「具体美術協会」の作家である、白髪富士子、田中敦子、山崎つる子の作品が登場!当館で同時期開催する「コレクション展Ⅱ」(1月14日〜4月5日)では、当時活動をともにした金山明、白髪一雄、嶋本昭三、村上三郎、元永定正の作品も展示予定。明石市出身で、ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館へ女性で初めて選ばれた江見絹子も見逃せません。
出品作家
赤穴桂子(1924-98)、芥川(間所)紗織(1924-66)、榎本和子(1930-2019) 、江見絹子(1923-2015) 、草間彌生(1929- ) 、白髪富士子(1928-2015)、多田美波(1924-2014)、田中敦子(1932-2005) 、田中田鶴子(1913-2015) 、田部光子(1933-2024)、福島秀子(1927-97) 、宮脇愛子(1929-2014) 、毛利眞美(1926-2022)、山崎つる子(1925-2019)
もっと知りたい!深堀り「キーワード」解説
アンフォルメル
フランスの批評家ミシェル・タピエが提唱。伝統的な様式によらず「未定形」をめざす制作や、偶然性・素材の抵抗を重視した。
アクション・ペインティング
米国の批評家ハロルド・ローゼンバーグが提唱。カンヴァスを「出来事の舞台」として捉え、絵画は完成されたイメージではなく、身振りの決断や速度、反復が残す「行為の痕跡」だという視点を示した。
アンチ・アクション
「アンチ・アクション」とは、日本では男性の美術家を中心に語られてきた「アクション・ペインティング」に対し、女性の美術家たちの反応や応答、異なる制作による挑戦を論じるために、中嶋泉氏(本展学術協力者)が考案した用語である。
具体
「具体」と略される「具体美術協会」は、1954(昭和29)年に兵庫県芦屋市の画家、吉原治良と阪神間の若い作家たちによって結成された前衛美術グループ。 「人の真似をするな」を合言葉にこれまでの常識をくつがえす斬新な作品を発表した。
開催概要
| 展覧会名 | アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦 |
|---|---|
| 英語表記 | Anti-Action: Artist-Women’s Challenges and Responses in Postwar Japan |
| 会期 |
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| 会場 | 兵庫県立美術館 |
| 住所 | 651-0073 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内] Google Map |
| 展示室 | 兵庫県立美術館 1F展示室 |
| 時間 |
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| 休館日 |
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| 観覧料 |
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| TEL | 078-262-1011 |
| URL |
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| SNS | |
| 主催 | 兵庫県立美術館、朝日新聞社 |
| 協賛 | 公益財団法人伊藤文化財団、株式会社アトリエ安藤忠雄 |
| 特別協力 | 公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部 |
| 学術協力 | 中嶋泉(大阪大学大学院人文学研究科准教授) |
| 交通案内 | ・阪神「岩屋駅(兵庫県立美術館前)」から徒歩約8分 ・JR神戸線「灘駅」南口から徒歩約10分 ・阪急神戸線「王子公園駅」西口から徒歩約20分 ・JR「三ノ宮駅」から神戸市バス「101系統」「29系統」にて約15分、「県立美術館前」下車すぐ ・地下駐車場(乗用車80台収容・有料) ※ご来館はなるべく電車・バスをご利用ください。 ※団体バスでお越しの場合はバス待機所のご予約をお願いします。 |
関連イベント
記念講演会
出演:中嶋泉(大阪大学大学院人文学研究科准教授、本展学術協力者)
日時:2026年4月19日(日)14:00-15:30(開場13:30-)
会場:KOBELCO ミュージアムホール
定員:150名 ※先着順、要観覧券、芸術の館友の会優先座席あり
学芸員によるアフタヌーン・レクチャー
日時:会期中毎週土曜日16:00-16:30
会場:レクチャールーム
定員:80名 ※先着順
ミュージアム・ボランティアによる解説会
日時:会期中毎週日曜日11:00-11:15
会場:レクチャールーム
定員:80名 ※先着順
※その他のイベントにつきましては、詳細が決まり次第、当館ウェブサイト等でお知らせいたします。
同時期開催の展覧会
コレクション展Ⅱ 兵庫のベスト・オブ・ベスト
2026年1月14日(水)- 4月5日(日)
特集 頴川コレクションの名品(特集は2月15日(日)まで)
2026コレクション展Ⅰ
2026年4月28日(火)- 9月23日(水・祝)
大横尾辞苑
2026年1月31日(土)- 5月6日(水・振休)
広報用画像一覧
赤穴桂子《スペースに於ける物体》1958年 個人蔵
芥川(間所)紗織《スフィンクス》1964年 東京国立近代美術館蔵
榎本和子《断面(Ⅰ)》1951年 板橋区立美術館蔵
江見絹子《空間の祝祭》1963年 個人蔵
※Web上で使用する場合は長辺720ピクセル以下
白髪富士子《作品No.1》1961年 高松市美術館蔵
多田美波《周波数37303055MC》1963年 多田美波研究所蔵 撮影:中川周
田中敦子《地獄門》1965-69年 国立国際美術館蔵 ©Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association
※Web上で使用する場合はコピーガード、72dpi・長辺400ピクセル以下
田中田鶴子《無》1961年頃 奈良県立美術館蔵
田部光子《作品》1962年 福岡市美術館蔵
福島秀子《ホワイトノイズ》1959年 栃木県立美術館蔵
宮脇愛子《作品》1967年 撮影:中川周
毛利眞美《裸婦(B)》1957年 東京国立近代美術館蔵
山崎つる子《作品》1964年 芦屋市立美術博物館蔵
© Estate of Tsuruko Yamazaki, courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa,Tokyo
チラシ 掲載作品:山崎つる子《作品》1964年 芦屋市立美術博物館蔵 © Estate of Tsuruko Yamazaki, courtesy of LADS Gallery, Osaka and Take Ninagawa,Tokyo
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