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谷岡靖則 退任記念展
うしなわれしもの・とき、そして
東京藝術大学大学美術館
東京藝術大学大学美術館(東京都台東区上野公園12-8)にて、「谷岡靖則 退任記念展 うしなわれしもの・とき、そして」を2025年11月2日(日)より11月16日(日)まで開催いたします。鋳金を新しい視点で捉え、型に流し込むことでうまれる現象を再考し表現としている谷岡靖則。作品を制作する過程でうまれる偶然性と現実の自然界で起こり得る偶然性を重ね合わせてできる象を作品の核とする谷岡の作品世界をぜひご覧ください。
《膜-HAND Ⅺ.L》
2019年 作家蔵 加藤正博 撮影
展覧会概要
本展は、東京藝術大学美術学部工芸科鋳金で教鞭を執ってきた谷岡靖則の退任記念展です。
谷岡靖則は、鋳金を新しい視点で捉え、型に流し込むことでうまれる現象を再考し表現としています。工芸が常に向き合う素材の中で、鋳金として自然が持つ揺るぎない力をも感じながら、作品を制作する過程でうまれる偶然性と現実の自然界で起こり得る偶然性を重ね合わせてできる象が作品の核となっています。そこに在るミニマムな世界観をご高覧頂ければ幸いです。
作家コメント
私は常に「ものが失われていくかたち」に惹かれています。失われるかたちは植物や生物などが『死』として語られることもありますが、その中で失われていったものが何らかの偶然性において、その後にそれとは違うものとして再生し得る世界があるように思えます。まるで闊達に蠢く細胞が分裂によって生まれ変わる瞬間のようなものでもあるかと思います。目視しても決して視ることのできない世界が、渦巻くミクロな姿としてあるのかも知れません。そして、それらが蠢く時間は時として密に生死の狭間の中に何かしら関係しているようにも思えます。そのようにミクロな世界観に移し替えて想像した時に、現世で感じられている時間とは異次元の莫大な時間が生まれてくるような気がしてならないのです。
私はそのような「失われていく瞬間」が持っている「時間」や「ものが持つ形態感」を偶然性の中で、或いは必然的なものとして制作をしています。

谷岡靖則 TANIOKA YASUNORI
経歴
1958 北海道出身
1984 東京藝術大学美術学部工芸科鋳金専攻卒業
1986 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻鋳金分野修了
1988 渡米(NEW YORK)
1991-2001 東京藝術大学 美術学部 非常勤講師
2002 文化庁在外派遣研修員(渡仏・ボルドー)
2017 東京藝術大学 美術学部 准教授
2022 東京藝術大学 美術学部 教授
主なモニュメント
1989 カエル(新ひだか町コミュニティセンター / 北海道)
1991 馬方勝っつぁん(東大和市奈良橋市民センター / 東京都)
2015 記憶から胚胎する連鎖(新ひだか町図書館・博物館 / 北海道)
主な展覧会
1994 KARADA がART になるとき [物質になった器官と身体](板橋区立美術館)
1996-97 北海道・今日の美術 語る身体・10人のアプローチ(北海道立近代美術館 他)
1999-2000 アーティストと観覧者がつくる美術 新冠町(北海道)
2019 鋳金の幻想(東京藝術大学大学美術館 陳列館)
2023 漸-Zen-TOKYO GEIDAI JAPAN ART WEEK(THE BLUE GALLERY / NEW YORK)
他に主な執筆・研究として
2005/10/21版 公明新聞 文化面に「イサム・ノグチ展(東京都現代美術館)」 展評をペンネーム綾水 寧紀で執筆し、2002〜2003には平成14年度文化庁在外派遣研修員として『環境と芸術』シュポール/シュルファス以降のフランス現代美術を研究して報告書を執筆し、2011〜2013には『伊勢神宮御神宝銅鏡制作』(故・前東京藝術大学教授橋本明夫;制作)を研究・制作協力をして報告書をまとめる。
鋳金:消失原型による細密鋳造表現
ロストワックス鋳造法は紀元前から現代に至るまで使われている技法であり、世界各国どの地方でも実践されています。その技法は様々であり、鋳型にはその地方の特色も見られます。本研究室では美術鋳造の基本であるロストワックス鋳造法を多岐に亘る視点から紐解き、現代に於けるより細密な鋳造表現の可能性を探りながら新しい表現は何かを研究しています。
工芸と彫刻そしてアート表現としての領域を行き来しながら、領域を超えて自身の表現を模索してきました。藝大が育んできたテクニックの伝承を崩さず、新たな方向性を持たせることは難しい反面、「伝統を研究しながらも逸脱しつつ現代感覚の中で作品が育まれること」が大学として目指すべきことと認識してきました。
谷岡靖則退任記念展 プレスリリース(pdf版)
以下よりダウンロードしてご覧ください。
ファイル概要:谷岡靖則退任記念展 うしなわれしもの・とき、そして Loss and Inevitable Renewal
開催概要
展覧会名 | 谷岡靖則 退任記念展 うしなわれしもの・とき、そして |
---|---|
英語表記 | Retirement Exhibition of Yasunori Tanioka Loss and Inevitable Renewal |
会期 |
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会場 | 東京藝術大学大学美術館 |
住所 | 110-8714 東京都台東区上野公園12-8 Google Map |
展示室 | 東京藝術大学 大学美術館 陳列館 |
時間 |
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休館日 |
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入場料 |
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TEL | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
URL |
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主催 | 東京藝術大学美術学部 |
助成 | 東京藝術大学美術学部杜の会 |
広報用画像一覧
《膜-HAND Ⅺ.L》
2019年 作家蔵 加藤正博 撮影《膜-HAND ⅱ- L》
2022年 個人蔵 加藤正博 撮影《膜-HAND ⅴ- R》
2023年 個人蔵 加藤正博 撮影《膜-HAND Ⅹ_R.L》
2018年 作家蔵 加藤正博 撮影《膜-HAND Ⅶ.L》
2017年 作家蔵 加藤正博 撮影《膜-FOOT ⅫⅠ_R.L》
2023年 作家蔵 加藤正博 撮影《うしなわれし・モノ 内耳 Ⅲ》
2024年 作家蔵 加藤正博 撮影《記憶から胚胎する連鎖》
1999 - 2015年
新ひだか町図書館・新ひだか町博物館《無題》
1998年 作家蔵 早川宏一 撮影《無題》
2001年 個人蔵《Series of Appreciation - The Inner Parts of the Ear》
1994年 作家蔵 末正真礼生 撮影《Series of Appreciation - The Inner Parts of the Ear》
1994年 作家蔵 末正真礼生 撮影《Drawing -存在と記憶-》
2000年 作家蔵 早川宏一 撮影作者近影 加藤正博 撮影
作者近影 加藤正博 撮影
展覧会フライヤー(表面)
展覧会フライヤー(裏面)
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