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Lou Zhenggang 婁正綱(ろうせいこう)
アーティゾン美術館「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」
出展のお知らせ、および今後の個展スケジュールなど

LZG Studio

中国を代表する書画家 婁正綱(仮名: ろうせいこう / 英語: Lou Zhenggang)は、世界中の主要な美術館の収蔵、国内外のコレクターらの収集を通じ、その名を国内外に広く知られてきました。中国は北部、黒竜江省に位置する小恒山煤礦(仮名: シオハネサンマイコン)に生まれ育ち、高名な詩人である父より書画を学び、その名を国内に知らしめた後、1986年に20歳で来日。以来日本を拠点として米国含め世界で活躍を続けており、これまでに世界中で27回の個展、3回の巡回展を催した経歴をもちます。現在は広大な海に面する伊豆のアトリエにて、一人制作に打ち込む日々を送っています。

無題(CW0024-0028F130)(部分) 2022年 Size:194.0cm × 810cm

この展覧会の広報用データのお申込みは
終了しました。

この度、アーティゾン美術館にて6月3日(土)より開催される展覧会「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」に婁の作品が出展されます。
日本国内にて、婁の作品をご覧いただける貴重な機会となるため、この機会に報道関係者の皆様にご紹介させていただきたく、ご案内申し上げます。ぜひ貴媒体にて、お取り上げいただき、広くご紹介いただければ幸いです。また、皆様にも婁の作品を直接会場にてご覧いただけますことを願っております。

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ
会場:アーティゾン美術館
会期:2023年6月3日(土)〜8月20日(日)
本展の現代作家の作品の特集展示の中で、婁正綱の作品が紹介されます。
https://lzgstudio.com/exhibitions/detail/16

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開
展覧会概要
19世紀末から第一次世界大戦が勃発するまでの間、フランスが平和と豊かさを享受することが出来たベル・エポックの時代、芸術を生み出す活気と自由な雰囲気に満ち溢れる中、フォーヴィスム、キュビスムなどの新しい美術が芽吹いて花咲き、やがて表現の到達点のひとつとして抽象絵画が目覚めました。その後の抽象絵画の展開は、20世紀の絵画表現を牽引し、その潮流は同時期の日本にも及びました。

この展覧会は、印象派を起点として、世紀初頭の革新的な絵画運動を経て抽象絵画が生まれ、2つの大戦を経てさらに展開していく様子を、おおよそ1960年代まで、フランスを中心としたヨーロッパ、アメリカ、そして日本の動向を中心に展観するものです。

本展では、石橋財団コレクションから新収蔵作品* 95点を含む約150点、国内外の美術館、個人コレクション等から約100点、あわせて約250点の作品を、アーティゾン美術館の全展示室を使ってご紹介いたします。

*新収蔵作品・・・当館の前身であるブリヂストン美術館が休館した 2015 年以降に収蔵された作品を指す。
アーティゾン美術館公式サイトより)

アーティゾン美術館 学芸課長 新畑泰秀氏による寄稿文のご紹介
アーティゾン美術館 学芸課長 新畑泰秀氏による寄稿文のご紹介

婁正綱 作品カタログ


昨年刊行された婁正綱の作品カタログは、アーティゾン美術館 学芸課長 新畑泰秀氏が編集に携わり、巻頭には新畑氏による寄稿文が掲載されている。新畑氏は、その冒頭に、初めて婁の作品に出会ったときの衝撃をこのように記している。

「眼前にあらわれた作品郡を見て息を呑んだ。大小様々なカンヴァスにアクリル絵具で描かれているのは、暗色を下地に明るい白を基調とした絵具が画面を流れ、跳ね、滴り、迸る繊細かつ旺然たるイメージ。その超絶的筆裁きによる賦彩と深淵な構図による絵画は、欧米や日本の如何なる抽象絵画とも異なる質を持っている。」

Lou Zhenggang 婁正綱(ろうせいこう)伊豆のアトリエ

伊豆のアトリエ

その後、伊豆のアトリエで、婁正綱に出会った新畑氏は、この画家について知るうちに、ある画家のことが心に浮かんだという。

「19世紀末にフランスのパリで、印象派グループの一員として活動を始めるも、やがて仲間らと距離を置き、首都を離れて遠く、南フランスのエクス=アン=プロヴァンスにひとりきりで制作をはじめたポール・セザンヌのことだ。」(カタログ婁正綱 寄稿文「水滴石穿――婁正綱の近作絵画について」新畑泰秀 より)。

今回アーティゾン美術館で開催される展覧会は、抽象芸術の源泉となるセザンヌなどの画家の作品を起点に抽象絵画の展開を紹介しており、その流れの中における現代の作家らの一人として、婁正綱を取り上げている。

寄稿文「水滴石穿――婁正綱の近作絵画について」アーティゾン美術館 学芸課長 新畑泰秀
https://lzgstudio.com/article/detail20220201.html

新畑泰秀氏 プロフィール
横浜美術館学芸員、石橋財団ブリヂストン美術館学芸課長を経て、2019年より現職。専門はフランス近現代美術史。担当した主な展覧会に「開館10周年記念 セザンヌ展」(横浜美術館、1999)、「セザンヌ主義 父と呼ばれる画家への礼讃」(横浜美術館、2008)、「アンフォルメルとは何か?──20世紀フランス絵画の挑戦」(ブリヂストン美術館、2011)、「カイユボット展−都市の印象派」(ブリヂストン美術館、2013年)、「ウィレム・デ・クーニング展」(ブリヂストン美術館、2014)他。主な著書に『失楽園:風景表現の近代1870-1945』(共著、大修館書店、2004)、「ポール・セザンヌ」(『花美術館』Vol. 64、花美術館、2019)、『新古典主義美術の系譜』(共著、中央公論美術出版、2021)などがある。


本出展作品に込めた想い(婁正綱へのインタビューより抜粋)

質問:自らの生い立ちが及ぼす作品への影響についてお聞かせください。

回答:私は中国・ロシアの国境に近い黒竜江省に生を受け、一年を通してみられるのは白と墨色という単色の世界に育ちました。色の記憶といえば、窓から望む一本の赤い果樹であり、まさに地の果てとでもいうべき場所でした。そうした記憶は今もなお、私の夢にしばしば表れ、作品を司る白と黒の原型となっています。

質問:書家としては中国のみならず世界中で名声を博しておられる先生が、抽象画家への道を歩まれることとなった経緯とはどの様なものだったのでしょうか?また絵画表現に於けるご自身への影響についてもお聞かせ下さい。

回答:私は3歳から書道を学び始め、12歳の時に北京の中央美術学院CAFA(Central Academy of Fine Arts)に入学、同院にて特別教育を受けました。しかし自国での政争から逃れるため、1986年には生まれ育った中国を離れることを余儀なくされ、その後は来日し日本を制作の拠点として活動をしております。そうした中で私は、書を起点としつつも、同時代人としては抑圧を逃れ自身を取り戻すことによりその作風を昇華させたジョアンミッチェルに、また主題の把握という点において伝統の外に一歩踏み出し、中国美術界に新たな風を吹き込んだ呉関中氏など、時代や洋の東西を問わず幅広い作品から影響を受けてきたと感じています。しかしその中でも、近年になって取り扱うことの増えた主題『水』に関する表現としては、20世紀以降のフランスにおける抽象表現主義画家、とりわけゴッホ、ムンク、モネ、ポロックに大きく影響を受けています。

質問:今回の出展作品に込めた想いについて、お聞かせください。

回答:生まれた地である辺境の記憶、これを司る白と黒は、今なお私自身の創作の原点です。今回出展の白黒基調の単色作品は、自らの人生を支配してきた逃れようのない混沌、それに対峙する過程で生まれた『動と静』の様相の表れです。またそれと同時に、私は画家であると同時に書家であることを自負しています。中国に伝わる『書画一致』の概念を、現代の日本において作品を通じ現せる喜びを感じています。


編集後記:
婁正綱(以下婁と呼ぶ)は、自らが創造した作品の解釈を鑑賞者に委ねる。それは同時に、作品が彼女の存在を介せずとも自律的に語る力を持つことを意味する。
婁は主題を据えた製作活動は行わないというが、近年の作品は、自然とりわけ水や雲と深い関わりを持つものが多い。それは、「流れる水の如く描きたいものが心の内から溢れ出る」という、彼女自身が制作時の感覚を語る言葉にも通ずるところがある。
近年の西洋に於ける婁への脚光は、西洋美術史の文脈という背景を彼女の作品に付与することで、新しい語り口の契機となるだろう。早くから自然に対し繊細に反応したアルプス以北の芸術家たち、そして地誌的風景画の巨匠ロイスダールや古典的風景画の巨匠クロード・ロラン、その影響を受けながら自国の自然をみつめたターナーやコンスタブル、彼らに刺激を受け新しい自然描写を提示したフランス印象派の画家たちへという、西洋美術の流れを知る西洋の鑑賞者が、その地で彼女の作品と出会う。
異国の地で新たな世界を開くことに力を秘めた彼女の作品は、いかなる境界もひかず、すべてを受け入れる「抽象の力」を現代の私たちに強く訴えて止まないのである。
(聞き手/ 翻訳/ 編集:蘆野鼓白 LZG Studio)

Lou Zhenggang 婁正綱(ろうせいこう)

婁正綱(ろうせいこう)

婁正綱 プロフィール
Lou Zhenggang 婁正綱(ろうせいこう)
幼い頃から父に書画を学び、70‐80年代の中国書画界の奇跡と言われる。1986年渡日、海外に滞在、長期にわたり国際芸術の舞台で活躍し、中国文化を伝える。30年来、中国、日本、米国などで27回の個展と3回の巡回展を開催。中国現代精神を持つ彼女の作品は国内外の重要美術館とコレクターに収蔵されている。婁正綱は絶えず自己鍛錬し、表現力の高い材料の探求と類まれな書画技術、彼女独特の美学的見解と深い人文的素養により、「生命と愛」「日月同輝」「心」「和合」「生生」「自然」などのシリーズ作品を創作。婁正綱の創作は水墨を媒介に、「宇宙」を想像空間とし「愛」を創作のインスピレーションに、現代的・個性的な抽象を創造、中国伝統絵画と現代芸術観念の結合を体現している。

今後の婁正綱の出展予定の個展など

フランス・サントロペにて、2023年7月22日より個展開催予定
※詳細はお問い合わせください。

香港に婁正綱のギャラリー「GALLERY NYOZE HONG KONG」が2023年3月17日にオープン

香港に婁正綱のギャラリー「GALLERY NYOZE HONG KONG」が2023年3月17日にオープン
当ギャラリーでは、婁正綱の最新作を紹介しています。
GALLERY NYOZE HONG KONG
22/F Office 01, Floor 22, Landmark South, 39
Yip Kan Street, Wong Chuk Hang, Hong Kong
営業時間:11:00 - 19:00 / 定休日:土日休 
完全予約制

WEB・SNS情報

【Lou Zhenggang 婁正綱(ろうせいこう)|公式サイト】
https://lzgstudio.com/
【Gallry Nyoze(Lou Zhenggang 婁正綱 マネージメント)|公式サイト】
https://gallerynyoze.com/

広報用画像一覧

  • 画像説明無題(CW0024-0028F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
  • 画像説明無題(CW0024-0028F130)(部分) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
  • 画像説明無題(CW0019-0023F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
  • 画像説明
  • 画像説明
  • 画像説明
  • 画像説明
  • 画像説明アーティゾン美術館「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」展示風景より
    (左)婁正綱 無題(CW0024-0028F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
    (右)婁正綱 無題(CW0019-0023F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
  • 画像説明婁正綱 無題(CW0019-0023F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
  • 画像説明婁正綱 無題(CW0024-0028F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
  • 画像説明婁正綱 無題(CW0024-0028F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm
  • 画像説明婁正綱 無題(CW0024-0028F130) 2022年 Size:194.0cm × 810cm

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