プレスリリース

UPDATE

カール・アンドレ 彫刻と詩、その間

開催期間会期

DIC川村記念美術館は、国内美術館として初めてカール・アンドレ(1935–2024)の個展を開催します。アンドレは1960年代後半のアメリカを中心に興った「ミニマル・アート」の代表的な彫刻家であり、木材・金属・石といった素材を工業製品のような同一規格に加工し、床に並置するスタイルで知られています。本展では、こうした作品群とあわせて、アンドレによる詩の仕事をまとまった形で紹介します。タイプライターの文字が紙の上に視覚的構造をともなって配置されるアンドレの詩は、彫刻的な文学表現と言えるでしょう。

カール・アンドレ《メリーマウント》1980年 ポーラ・クーパー・ギャラリー
© 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
Photo: Steven Probert

この展覧会の
広報用データのお申込みはこちら
ログインしてご利用ください。

展覧会概要

カール・アンドレ(1935–2024)は1960年代後半のアメリカを中心に興隆したミニマル・アートを代表する彫刻家です。日本の美術館において初めての個展となる本展は、同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置き、規則的に広がるアンドレの典型的な彫刻作品を大きな空間で展開します。アンドレは自身の作品が、それが置かれる周りの空間に作用するものであることを「場としての彫刻」という言葉で表しています。

整然として無機質な印象とは裏腹に、実際の作品を前にすると、金属の光沢や錆、木の手ざわり、石の重みなど、物質それ自体の大らかな姿を目にすることができます。不揃いなユニットが並んでいることにも気が付くことでしょう。

また、本展では知る人ぞ知るアンドレの詩をまとまったかたちで紹介します。タイプライターで断片的な単語を打ち込んで構成されるアンドレの詩は、読むことでも眺めることでも楽しめるものです。彫刻に通ずる空間的、構造的な認識や、文学、美術、歴史、政治など作家自身の幅広い思考が反映されています。

彫刻と詩という離れた表現で展開する、アンドレの作品をぜひお楽しみください。

作家略歴
カール・アンドレは1935年にアメリカ・マサチューセッツ州の工業都市クインシーに生まれ、詩を共通の趣味とする両親のもとに育つ。アンドーバーの名門フィリップス・アカデミーで学んだ後、ヨーロッパ滞在や兵役を経て1957年にニューヨークに居を移し、出版社で職を得る。翌年よりフランク・ステラとスタジオを共有してコンスタンティン・ブランクーシに影響を受けた、鑿で木に切れ込みを入れる彫刻を制作する。1960年から約4年間ペンシルヴェニア鉄道で制動手として勤務する傍ら、詩作やユニット状の木を組み合わせる〈エレメント〉シリーズに取り組む。1964年にグループ展で初めて発表をし、翌年にティボール・ド・ナギ・ギャラリーで初個展を行う。1966年「プライマリー・ストラクチャーズ」展に137個のレンガを直列に並べた《レヴァー》を出品する。程なくして正方形の金属板を並べた床置き彫刻の制作を始め、アメリカ、ヨーロッパなど各地で空間に合わせて規模の異なる様々な作品を発表する。1970年には「第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ):人間と物質」の招聘作家として来日。主な展覧会として《作品の37番目のピース》を発表したグッゲンハイム美術館における1970年の個展、1996年「Carl Andre Sculptor 1996」、2014年「Sculpture as Place 1958-2010」など。2024年1月24日、ニューヨークにて死去。



みどころ
1.作家夫妻と所属ギャラリーの全面的な協力を得て実現する、日本の美術館における初個展。〈スクエア〉や〈カーディナル〉をはじめとする代表的な床置きの大型彫刻13点に加え、日本では紹介されることが稀な「小さな彫刻」を8点、約70ページの詩という構成で、アンドレの制作を多角的に紹介します。

2.《メリーマウント》(1980)を含めて3点展示する床置きの木の彫刻は、現時点で国内の美術館に収蔵されていない作例です。また、特にスケールの大きな作品として、横幅15mにも及ぶ《上昇》(2011)にご注目ください。人の背丈を超えるL字の金属板が並び、壁との間にできた空間を通ることができます。

3.大型彫刻の展示のため、天井高7m、約400㎡の企画展示室を仮設壁で区切らず開放的に使用します。上を歩くことができる作品も含まれた、順路のない展示を巡ってみてください。アンドレの彫刻があることで日常とは異なる重力を備えるような空間を、全身で体感できることでしょう。

4.初期の詩のアンソロジーである〈セブン・ブックス〉から厳選した約40ページを、作家本人のデザインをもとに制作した展示台で紹介。〈ユカタン〉全26ページと合わせて、タイプライターで打ち込まれるアンドレの詩の概要をお見せします。

開催概要

会期
2024年3月9日(土)〜2024年6月30日(日)
会場 DIC川村記念美術館
住所 285-8505 千葉県佐倉市坂戸631 Google Map
時間
9:30〜17:00(最終入館時間 16:30)
休館日
月曜(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
入館料
一般 1,800円、学生・65 歳以上 1,600円、高校生以下 無料
障害者手帳をお持ちの方と付き添い1名 無料
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL
【公式サイト】DIC川村記念美術館
https://kawamura-museum.dic.co.jp/
URL2
【公式サイト】DIC川村記念美術館|展覧会紹介ページ
https://kawamura-museum.dic.co.jp/art/exhibition-past/2024/carlandre/
SNS
主催 DIC株式会社
協力 ポーラ・クーパー・ギャラリー、ギャラリーヤマグチ
後援 千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
プレスリリース ダウンロード
ログインしてご利用ください。

会期中のイベント

※詳細と申し込み方法は公式サイトでお知らせします
※やむを得ず記載内容を変更する場合があります

ゲストによるギャラリートーク 当日先着50名
冨井大裕(美術家)
3月9日(土) 11:30-12:30

クロストーク 要予約
梅津元(芸術学)× 林卓行(美術批評)
5月11日(土) 13:30-15:00

パフォーマンス  予約不要
環ROY(ラッパー)
4月12日(金) 16:00-16:30

ワークショップ「カール・アンドレ句会」  要予約
山口信博(グラフィック・デザイナー、俳句結社「澤」同人)
6月8日(土) 13:30-15:30

学芸員によるギャラリートーク 当日先着35名
3月16日(土)、4月20日(土)、5月17日(金)、6月14日(金) 各日11:30より

ガイドスタッフによる定時ガイドツアー 当日先着20名
毎日14:00より

会期中のコレクション展示

コレクションHighlight
フランク・ステラ〈ブラック・シリーズ〉とカール・アンドレ

会場:201室

DIC川村記念美術館の重要なコレクションの1点、フランク・ステラ《トムリンソン・コート・パーク(第2ヴァージョン)》は、1歳差のステラとアンドレが1958年から約2年に渡りスタジオを共有していた時期に制作されたものです。本作を含む4点をニューヨーク近代美術館「16人のアメリカ人」展に出品する際、ステラはカタログ原稿の執筆をアンドレに依頼しました。アンドレにも多大な影響を与えた、ミニマル・アートの萌芽として高く評価される〈ブラック・シリーズ〉を、二人の交流を通して再考する機会といたします。

広報用画像一覧

  • 画像説明カール・アンドレ《メリーマウント》1980年 ポーラ・クーパー・ギャラリー
    © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
    Photo: Steven Probert
    *作家名・タイトル・制作年・所蔵者名・著作権クレジットは必ず明記してください
  • 画像説明カール・アンドレ《ベルギカブルー・ヘキサキューブ》1988年 ポーラ・クーパー・ギャラリー
    © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
    Photo: Steven Probert
    *作家名・タイトル・制作年・所蔵者名・著作権クレジットは必ず明記してください
  • 画像説明カール・アンドレ《上昇》2011年 Estate of the Artist
    © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
    *作家名・タイトル・制作年・所蔵者名・著作権クレジットは必ず明記してください
  • 画像説明カール・アンドレ〈ユカタン〉1972/1975年 Estate of the Artist
    © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
    *作家名・タイトル・制作年・所蔵者名・著作権クレジットは必ず明記してください
  • 画像説明カール・アンドレ〈セブン・ブックス〉1969–1979年 Estate of the Artist
    © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
    Photo: Steven Probert
    *作家名・タイトル・制作年・所蔵者名・著作権クレジットは必ず明記してください
  • 画像説明カール・アンドレ《9つのアルミ、シー/ソーの列》2016年 Estate of the Artist
    © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
    *作家名・タイトル・制作年・所蔵者名・著作権クレジットは必ず明記してください
  • 画像説明カール・アンドレ《6つの組み合わされた作品》2019年 Estate of the Artist
    © 2023 Carl Andre / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
    *作家名・タイトル・制作年・所蔵者名・著作権クレジットは必ず明記してください
  • 画像説明カール・アンドレ展ポスター

会員向けご提供広報用データ

ログイン または 新規会員登録の上、お申込みいただけます。
プレスリリース・画像データの一括ダウンロード
DIC川村記念美術館の施設(外観・内観)画像も同時ご提供
この展覧会の
広報用データのお申込みはこちら
ログインしてご利用ください。
  • ログインされていない場合は、
    ログインの上、お申込み画面にお進みください。
  • ご新規の媒体は、ご登録の上、お申込みください。
    ご登録の際はご利用規約をお目通しの上、ご利用ください。
注意事項
当サイトのご利用にはログインが必要です。ログインの上、ご利用ください。 会員新規登録はこちらから
ご登録は、報道・メディア関係者の方に限ります。それ以外の一般の方はご登録いただけませんので、ご了承ください。
  • 推奨環境について:Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、Safari(Mac)各最新版、Internet Explorer11、iOS11.0以降・Safari最新版、Android 6.0以降・Google Chrome最新版を推奨しております。推奨環境以外でのご利用や、推奨環境下でもブラウザの設定によっては、ご利用できないもしくは正しく表示されない場合がございます。また、JavaScript、Cookieが使用できる環境でご利用ください。不具合が生じた場合は、ARTPR担当者 までご連絡ください。