プレスリリース

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山口県立萩美術館・浦上記念館
展示スケジュールのご案内
2022年度 冬季開催の各展覧会のご紹介

山口県立萩美術館・浦上記念館にて、2023年1月から開催される、〈浮世絵〉〈東洋陶磁〉〈陶芸〉の各展示についてご紹介いたします。また、浮世絵版画の名品を毎月1点ずつご紹介する「特選鑑賞室」(1月~3月)も合わせてご紹介しております。当館は、浮世絵、東洋陶磁、陶芸・工芸を専門とする美術館です。山や海に囲まれ、自然豊かで風光明媚な山口県萩市にあり、歴史情緒あふれる城下町の景観なども魅力的なこの地に、萩市出身の実業家、浦上敏朗(うらがみとしろう 1926-2020)氏の寄贈を契機として1996年10月に開館しました。本館の建築は、丹下健三・都市・建築設計研究所の設計によるものです。

月岡芳年「風俗三十二相 つめたさう 文化年間めかけの風俗」 明治21年(1888)

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2022年度 冬季開催のコレクション展示のご紹介


「相撲絵」会期:2023年1月2日(月)~1月29日(日)
会場:展示室1 〈浮世絵〉
江戸時代、相撲は歌舞伎とともに人気の高い娯楽でした。したがって浮世絵版画の初期から画題とされ、錦絵の時代に制作数が増えたので、ジャンルとして定着したといえます。勝川派、菊川派、歌川派などの絵師によって、力士の化粧回し姿、土俵入り、取組、支度部屋や場所風景などを描いた作品が残されています。
今回は相撲の歴史をたどりながら、相撲にちなんだ伝説上の豪傑や子供力士、萩藩お抱え力士を描いた作品を紹介します。

勝川春亭「長州 越ヶ浜岩五郎」 文政8年~天保3年(1825~1832)
勝川春亭「長州 越ヶ浜岩五郎」
文政8年~天保3年(1825~1832)


「月岡芳年 風俗三十二相」会期:2023年1月31日(火)~2月26日(日)
会場:展示室1 〈浮世絵〉
月岡芳年(1839 ~ 1892)は、明治時代に活躍した浮世絵師です。「風俗三十二相」は明治21年(1888)に刊行された32枚のシリーズで、芳年が描いた美人画の代表作として知られています。
三十二相とは、仏が備えている32の優れた身体的特徴をさしますが、本シリーズでは寛政期から明治までの各時代の年齢や立場の異なる様々な女性風俗を取り上げ、さらに観相学にことよせて、女性のさまざまな表情を描き分ける趣向となっています。

月岡芳年「風俗三十二相 つめたさう 文化年間めかけの風俗」 明治21年(1888)
月岡芳年「風俗三十二相 つめたさう 文化年間めかけの風俗」
明治21年(1888)


「月岡芳年 新形三十六怪撰」会期:2023年3月7日(火)~4月9日(日)
会場:展示室1 〈浮世絵〉
「新形三十六怪撰」は、月岡芳年(1839~1892)の最晩年の代表作です。伝説や歴史物語、謡曲などをもとに描かれた古今の妖怪や幽霊たちは、繊細な描写と豊かな色彩により、妖気を醸し出しています。
今回の展示では、36図に目録を加えたシリーズ全作品を紹介します。

月岡芳年「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」大判錦絵 明治25年(1892)
月岡芳年「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」
大判錦絵 明治25年(1892)


「華麗なる色絵磁器」会期:2022年11月19日(土)~4月9日(日)
会場:展示室2 〈東洋陶磁〉
色絵は五彩、赤絵とも呼ばれ、その名前が示す通り赤、緑、黄などの顔料を用いて、色鮮やかな文様が描かれたやきものです。素地が陶器の場合は色絵陶器、素地が磁器の場合は色絵磁器と呼ばれ、いずれも古い歴史を有します。今回ご紹介する色絵磁器は、元時代に中国江西省の景徳鎮窯で14世紀ころに生まれました。
色絵磁器は同時代に生まれた青花磁器と併せて、陶磁器の装飾における革命的な技法でしたが、素地となる磁器(白磁)の焼締まる温度では、顔料が定着せず揮発してしまうため、色絵磁器を作るには低火度で余計にもう1回焼成する必要があり、必然的にやきものにかかるコストが増えることになりました。
しかし、その鮮やかさから色絵磁器は発展し続け、特に皇帝 への 献上品が焼かれた景徳鎮官窯では、わずかな筆致の乱れも許されない優品が作られ、明時代の万暦赤絵はその頂点のひとつと評されます。一方、景徳鎮民窯で作られた南京赤絵や、福建省の漳州窯で作られた呉州赤絵などは、奔放な絵付けが当時の日本人にも好まれ、多く輸出されました。
本展示では、陶磁史を彩る色鮮やかな色絵磁器の逸品の数々をご紹介します。

画像説明
《五彩龍文壺》 中国・景徳鎮窯 明時代 万暦在銘(1573〜1620年)

「三輪龍氣生 陶の世界」会期:2023年3月7日(火)~9月3日(日)
会場:展示室7 〈陶芸〉
三輪龍氣生(十二代休雪。本名・龍作。昭和15年〈1940〉辰年生まれ)は、萩の伝統窯三輪窯の十一代休雪(壽雪)の長男として生まれ、歴史ある萩焼の三輪家の伝統を踏まえながらも、これまで「愛(エロス)」と「死(タナトス)」をテーマに独自の具象造形表現により自己の内的世界をかたちにしてきた陶芸家です。
今展では、作者の制作意識の中で常に内在している「生成と崩壊」のテーマを、全身で土に立ち向かうことで表現した巨大な「続・卑弥呼の書」や、作家自身の自画像、化身ともいえる「龍人伝説」シリーズの作品を展示し、空間的にも時間的にも壮大なスケールで展開する三輪龍氣生の陶の造形世界を紹介します。

三輪龍氣生《続・卑弥呼の書 No.9》(部分) 1992年 撮影:田中学而
三輪龍氣生《続・卑弥呼の書 No.9》(部分)
1992年 撮影:田中学而


「茶陶-萩」会期:2023年3月7日(火)~5月7日(日)
会場:展示室8〈陶芸〉
萩焼は、萩藩主毛利氏が17世紀初頭に萩藩の御用窯として開窯して以降400年余り続く長い伝統を持ち、とりわけ優れた茶陶を生み出す窯業地としてこれまで多く語られてきました。伝世する萩焼の多くは茶の湯の道具であり、特に御用窯で作られた茶碗は、開窯当初から侘数寄の美意識により見出された高麗茶碗の造形性を濃厚に反映したものでした。しかしそれらは単なる写うつし(模倣、まね)ではなく、高麗茶碗がもつ様々な造形要素を自在にアレンジし、さらに古田織部好みの剽げた歪みの美意識を取り入れるなど、萩焼独自の造形性を常に志向するものでした。
今展では、そうした独自の品格を有する古萩(近世の萩焼)から近現代の萩焼の作家(人間国宝を含む)の作品まで、伝統を踏まえながらも常に革新的ともいえる独創的な造形表現を追い求めてきた萩焼の茶陶を紹介します。

伝 初世坂高麗左衛門《萩茶碗 銘 李華》 江戸時代前期 17世紀 個人蔵
伝 初世坂高麗左衛門《萩茶碗 銘 李華》
江戸時代前期 17世紀 個人蔵


浮世絵版画の名品を毎月1点ずつご紹介する「特選鑑賞室」1月~3月世界的に著名な葛飾北斎(1760~1849)や歌川広重(1797~1858)の代表作をはじめ個性あふれる風景画を当館が所蔵する浮世絵版画の名品から毎月1点ずつご覧いただきます。
令和4年度のテーマは、江戸時代後期に流行した風景画です。これらの作品は、日本絵画に特有の表現技法だけでなく、遠近法や陰影法などの表現技法や舶来の絵具など、西洋絵画の影響が認められる点が特徴です。

葛飾北斎「富嶽三十六景 相州梅沢左」天保2~5年(1831~1834)横大判錦絵 葛飾北斎「富嶽三十六景 相州梅沢左」天保2~5年(1831~1834)横大判錦絵 葛飾北斎「富嶽三十六景 礫川雪ノ旦」天保2~5年(1831~1834)横大判錦絵
(画像左)【1月】歌川広重「東海道五十三次之内 亀山 雪晴」天保4~5年(1833~1834)横大判錦絵
保永堂版『東海道五十三次之内』は広重の出世作。亀山は斜めの構図が画面に奥行きを与え、白を基調に空の青、朝陽の紅と明快な彩色が、陽光や澄んだ冷気を感じさせます。右上の京口門に馬や旅人が歩みを進めています。

(画像中)【2月】勝川春亭「相州江之嶋ノ図」文化(1804~1818)初期 横大判錦絵
音曲を司る弁財天を祀る江の島。歌舞伎役者や音楽家の信仰を集め、江戸に近い行楽地として江戸市民が訪れました。本図は銅版画に倣った線による陰影表現と、色の濃淡による空気遠近法が独特な画趣を生じています

(画像右)【3月】歌川広重「京都名所之内 あらし山満花」天保5年(1834)頃 横大判錦絵
嵐山は桜の名所。桂川沿いの桜並木の下を歩く人や水面に浮かぶ花びら、そして水の青色と桜の淡いピンク色の対比が春爛漫の様子を伝えます。筏船から立ち昇る煙は、のどかさを演出しつつ、画面の深さを表現しています。

冬季に開催中の、その他のコレクション展示のご案内
「イワタルリ GLASS ×鉄×茶室」
会期:2022年4月2日(土)~ 2023年3月26日(日) 会場:茶室

コレクション展示のほかに、特別展も開催されます。
現在形の陶芸 萩大賞展Ⅵ
会期:2023年1月2日(月・休)~2月26日(日)
詳細は公式サイトをご確認ください。(広報用画像をご希望の際は広報お問合せ先までご連絡ください。)
https://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/exhibition/special/2023/02/053814.html


山口県立萩美術館・浦上記念館について

当館は、萩市出身の実業家、浦上敏朗(うらがみとしろう 1926-2020)氏が収集した浮世絵、東洋陶磁などの寄贈を契機に1996年に開館しました。2010年には、400年の歴史を有する萩焼をはじめとする陶芸の振興を目的に新たに陶芸館を増築。歌川広重、葛飾北斎、歌川国芳らの浮世絵版画約5,500点のほか、中国・朝鮮などの東洋陶磁約600点、近現代の陶芸・工芸作品約800点(2022年3月現在)を収蔵し、外国人観光客向旅行ガイド「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、日本三名橋のひとつ「錦帯橋」と並び、山口県内最高ランクの二つ星の観光施設として紹介されました。
当館に隣接する江戸時代の情緒を色濃く残す萩城下町は、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する資産の一つです。丹下健三氏の設計による当館本館と陶芸館(金子信建築事務所の設計により2010年に増設)の間には藍場川が流れ、館内からは庭園に設置された野外彫刻や指月山など自然の景観の眺めもご堪能いただけます。
当館では常時、「浮世絵」「東洋陶磁」「陶芸・工芸」の展示を開催するほか、「特選鑑賞室」では、当館が所蔵する浮世絵版画の名品を毎月1点ずつご紹介しています。
◎当館の施設画像は こちらから ご確認いただけます。

画像説明
浮世絵、東洋陶磁、陶芸・工芸を専門とする山口県立萩美術館・浦上記念館。本館は、丹下健三氏の設計による。本館と陶芸館の間には藍場川が流れる。浮世絵展示室は、1か月毎に展示替えが行われる。

開催概要

会場 山口県立萩美術館・浦上記念館
住所 山口県萩市平安古町586-1 Google Map
時間
9:00〜17:00(最終入場時間 16:30)
観覧料
一般300(240)円、学生200(160)円
70歳以上と18歳以下の方、および高等学校、中等教育学校、 特別支援学校に在学する生徒は無料です。
※( )内は20名以上の団体料金です。
※特別展示は展覧会によって観覧料が異なります。
特別展示についての詳細は、公式サイトをご確認ください。
※身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を所持されている方および、その介護者(1名)は無料です。
TEL 0838-24-2400
URL
【山口県立萩美術館・浦上記念館|公式サイト】
https://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/
SNS
アクセス[新山口駅から]
・直行バス「スーパーはぎ号」(約60分)で萩・明倫センター下車、徒歩約5分
・防長バス(約90分)で萩バスセンター下車、徒歩約12分
[山口宇部空港から][萩・石見空港から]
・萩近鉄タクシー(乗合タクシー)約70~80分(利用前日までに要予約)
[JR山陰本線]
・JR萩駅から萩循環まぁーるバス(西回り)約30分
・JR東萩駅から萩循環まぁーるバス(東回り)約30分
・JR玉江駅から徒歩約20分
[自動車]
・「中国自動車道」美祢東JCT経由、「小郡萩道路」絵堂ICから約20分
・「山陰自動車道」三見ICから約10分、国道191号沿い

広報用画像一覧

  • 画像説明勝川春亭「長州 越ヶ浜岩五郎」 文政8年~天保3年(1825~1832)
  • 画像説明月岡芳年「風俗三十二相 つめたさう 文化年間めかけの風俗」 明治21年(1888)
  • 画像説明月岡芳年「新形三十六怪撰 茂林寺の文福茶釜」大判錦絵 明治25年(1892)
  • 画像説明三輪龍氣生《続・卑弥呼の書 No.9》(部分) 1992年 撮影:田中学而
  • 画像説明伝 初世坂高麗左衛門《萩茶碗 銘 李華》 江戸時代前期 17世紀 個人蔵
  • 画像説明歌川広重「東海道五十三次之内 亀山 雪晴」 天保4~5年(1833~1834) 横大判錦絵
  • 画像説明勝川春亭「相州江之嶋ノ図」 文化(1804~1818)初期 横大判錦絵
  • 画像説明歌川広重「京都名所之内 あらし山満花」 天保5年(1834)頃 横大判錦絵

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