プレスリリース

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生誕100年記念
Re:辻邦生-いま、ふたたび作家に出会う

開催期間会期

霞会館記念学習院ミュージアム(東京都豊島区目白1-5-1)にて、「Re:辻邦生-いま、ふたたび作家に出会う」を2026年3月14日(土)より5月16日(土)まで開催いたします。本展は、前後期の2部制で、本展が前期(Part1)となり、後期(Part2)は2026年6月23日(火)から8月1日(土)まで、「Re:辻邦生-作家をめぐる人と世界(モノ)」の開催を予定しています。学習院大学の博物館「学習院大学史料館」は、2025年「霞会館記念学習院ミュージアム」としてリニューアルオープンいたしました。本展はリニューアル記念第2弾となる初の文学展です。

旧制高等学校時代から急逝するまで書き続けた日記『JOURNAL』

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展覧会概要

1960年代から90年代にかけて、文学界に足跡を残し、現在も読み継がれている作家・辻邦生(1925–1999)。〈美〉への探求、緻密な構成と壮大なスケールによる作風、端正な文体に数多くの愛読者を持ちます。辻の文学は、小説という枠だけにとらわれず、他のさまざまな表現と静かに呼応していました。建築家の磯崎新・宮脇愛子夫妻と親交を重ねて互いに刺激し、銅版画家の山本容子とは挿画を通して協働する等、言葉とイメージが響き合う仕事を重ねました。
また、辻は学習院大学では文学部フランス文学科(現フランス語圏文化学科)教授として長年にわたりフランス文学を講じ、創作と教育の双方を行き来しながら、知的な交流の場を育んでいきました。
1990年代には新聞のコラムなどでアート、映画、音楽などヨーロッパ文化の紹介者としても活躍。ファッション雑誌『マリ・クレール』で連載した「ある生涯の七つの場所」など、文学界のみならず、より開かれた読者層へと言葉を届けました。 

本展は、辻の生誕100年を記念して、山梨県立文学館(甲府市)、軽井沢高原文庫(軽井沢町)、旧制高等学校記念館(松本市)、春日居郷土館・小川正子記念館(笛吹市)、清須市はるひ美術館(清須市)といった作家ゆかりの地で2025年4月より開催された展覧会の集大成というべきものです。

当館に所蔵される膨大な辻邦生の文学とその広がりを多角的に紹介。前期〔Part1〕では作家と作品、創作の歩みに焦点を当て、後期〔Part2〕では人やモノとの関係に光を当てます。
目玉となるのは、約6万点の辻邦生関係資料の中でも初公開となる、全100冊の日記です。辻がそれぞれの時代に何に悩み、何を学び、どのような答えへとたどり着いたのか。肉筆の言葉を通して、作品の背後にある思考形成や知の蓄積の軌跡を読み取っていただけることでしょう。
また、作家旧蔵の原稿、創作メモ、日記、書斎、遺愛品などの資料を中心に、辻邦生の思考と創作の軌跡をたどり、紛争の絶えない現代において、文学がもつ意味をあらためて問いかけます。
今回の展示をきっかけに初めて辻に出会う方への、新たな入口として、“大学ミュージアム”ならではの視点で構成しています。


見どころ
1. 初公開!100冊の日記『Journal』が語る、思考の軌跡
旧制高等学校時代から73歳で急逝するまで、辻が書き続けた日記『Journal』は全100冊に及びます。全冊の公開は本展が初。小説が書けない時であっても絶えず書き続けた日記がずらりと並ぶ姿は圧巻です。

2. ことばだけではない、〈描く〉作家――“MANGUA”の世界
辻邦生は、書く人であると同時に、〈描く〉人でもありました。
妻・佐保子と描き交わした300点以上におよぶユニークなイラスト“MANGUA”やスケッチを通して、日常や人物を見つめる辻の鋭い観察眼とユーモアに出会える展示です。

3. 書斎と書棚の再現――〈物語が生まれた現場〉に立ち会う
書斎机や愛用の品々に加え、蔵書が並んでいた書棚の一部を復元し、辻がどのような環境で思索を深め、作品を書き続けていたのかを体感できるコーナーです。〈物語が生まれた現場〉に立ち会うことで、作家の文学を支えていた日常の時間と空気に触れることができます。

4. 著名人コメント × 著作年譜 × 作品ブース
探検家・角幡唯介氏、実業家・出口治明氏、小説家・桜庭一樹氏、小説家・松岡圭祐氏ら辻の文学に影響を受けた著名人が本展のために寄せた推薦コメントをご紹介します。また、代表作品のブースでは、辻の言葉と小説世界を体感できる構成をお楽しみいただけます。さらに、主要作品を網羅した著作年譜を通して、その文学的な広がりを俯瞰します。

辻邦生(1925–1999)
1925年、東京生まれ。旧制松本高等学校在学中、19歳で初めての小説「遠い園生」を書き、小説家を志す。しかし、第二次世界大戦の敗戦後、焦土と化した祖国を前に「文学に何ができるのか」という無力感に直面し、創作への思いが激しく揺れ動く。
東京大学でフランス文学を学び、1957年より妻・佐保子(のちに美術史家、名古屋大学、お茶の水女子大学教授として活躍)とともにパリ留学。3年半にわたってパリ国立図書館と下宿での読書や、西欧各地への旅を重ね、文学の可能性を模索し続ける。ギリシア訪問がきっかけとなり、文学への無力感から再び立ち上がる。
帰国後、「城」そして最初の長篇『廻廊にて』を発表。その後、40代、50代で『夏の砦』『安土往還記』『天草の雅歌』『嵯峨野明月記』『背教者ユリアヌス』『春の戴冠』などを次々に発表し、旺盛な創作活動を展開した。1995年には、集大成ともいえる『西行花伝』で谷崎潤一郎賞を受賞。
一方で、東西文化への深い理解に基づいた評論やパリ滞在記、旅行記をはじめ、美術、音楽、映画、演劇についての文章も数多く残し、男女問わず若い読者を知的に刺激・啓蒙した。
また、学習院大学では文学部フランス文学科(現フランス語圏文化学科)で約35年間にわたり教鞭をとり、教育者としても多くの学生に影響を与えた。

開催概要

展覧会名Part1「Re:辻邦生-いま、ふたたび作家に出会う」
Tsuji Kunio : retrouver I'ecrivain aujourd'hui
会期
2026年3月14日(土)〜2026年5月16日(土)
※Part2 として下記を開催予定です。あらためてご案内いたします。
Part2「Re:辻邦生-作家をめぐる人と世界(モノ)」
会期:2026年6月23日(火)~8月1日(土)
会場 霞会館記念学習院ミュージアム
住所 171-8588 東京都豊島区目白1-5-1 学習院大学目白キャンパス内 Google Map
展示室 霞会館記念学習院ミュージアム 特別展示室
時間
10:00〜17:00(最終入館時間 16:30)
休館日
日曜・祝日、5月3日(日)〜6日(水)
※3月20日(金・祝)、4月12日(日)は開館
入館料
無料
TEL 03-5992-1173
URL
【霞会館記念学習院ミュージアム|公式サイト】
https://www.gakushuin.ac.jp/univ/ua/
SNS
主催 学習院大学史料館
協力 辻邦生生誕100年記念事業組織委員会

関連イベント

ギャラリートーク
日時:第1回 3月28日(土)/第2回 4月18日(土)各回14時~(約30分)
会揚:学習院ミュージアム特別展示室 
※申込不要

第102回ミュージアム講座「ことばと響きあう〈美〉と〈音〉」
日時:6月27日(土)13時~16時30分(開場12時30分)(予定)
会場:学習院創立百周年記念会館 正堂
※申込不要 入場無料

第1部 講演「辻邦生と美術」 13時~14時20分(予定)
講師:青柳正規氏(東京大学名誉教授、多摩美術大学理事長、元文化庁長官)
高橋裕子氏(美術史家、学習院大学名誉教授、辻邦生生誕100年記念事業組織委員会副委員長)

第2部 演奏「辻邦生と音楽」 14時40分~16時30分(予定)
解説:中条省平氏(フランス文学者、学習院大学名誉教授、辻邦生生誕100年記念事業組織委員会委員長)
演奏:笹沼樹氏(チェリスト、学習院大学文学部卒)

広報用画像一覧

  • 画像説明旧制高等学校時代から急逝するまで書き続けた日記『JOURNAL』
  • 画像説明高輪自宅の書斎にて 1996年6月
  • 画像説明辻邦生 高輪自宅の書斎にて 片山摂三撮影
  • 画像説明パリ留学時代の「傑作マンガ集」より 1957-62年頃
  • 画像説明渡航中のイラストブックより 4等船室の丸窓から見た地中海 1957年10月6日
  • 画像説明『春の戴冠』自筆原稿革装幀本 笠原三津子装幀 1972年頃
  • 画像説明『嵯峨野明月記』創作年譜 1968-71年頃
  • 画像説明辻邦生・佐保子夫妻がイタリア政府より授与されたカヴァリエーレ・ウッフィツィアーレ章 1995年7月
  • 画像説明
  • 画像説明

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