
プレスリリース
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令和7年度秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念
永青文庫 近代日本画の粋
―あの猫が帰って来る!―
永青文庫(東京都文京区目白台1-1-1)では、秋季展 重要文化財「黒き猫」修理完成記念「永青文庫 近代日本画の粋―あの猫が帰って来る!―」を2025年10月4日(土)から11月30日(日)まで開催いたします。菱田春草の代表作「黒き猫」は、当館の近代日本画コレクションのなかでも不動の人気を誇る作品です。その修理完成を記念した本展では、菱田春草のほか、横山大観、下村観山、鏑木清方といった近代日本を代表する画家たちの優品を一堂に展覧します。
重要文化財 菱田春草「黒き猫」 明治43年(1910) 永青文庫蔵 ※前期展示
展覧会概要
永青文庫の設立者・細川護立(もりたつ、1883~1970)は、同時代の日本画家たちにいち早く注目し、彼らの作品を積極的に蒐集しました。当館に伝わる護立の近代日本画コレクションのなかでも、36歳の若さで夭折した菱田春草(1874〜1911)の「黒き猫」(重要文化財)は、不動の人気を誇る作品です。墨のぼかしによって、思わず触ってみたくなるような、猫の柔らかな毛並みを見事に表現しており、明治43年(1910)の第4回文展に発表した当初から高く評価されました。
この度、クラウドファンディングでのご支援と、国・東京都・文京区からの補助により、初めて本作の本格的修理が行われました。修理完成を記念した本展では、「黒き猫」や「落葉」(重要文化財)など当館が所蔵する春草作品全4点を前・後期に分けて公開するほか、横山大観、下村観山、鏑木清方といった近代日本を代表する画家たちの優品を一堂に展覧します。あわせて、護立との交流を示す作品や資料、貴重な画稿も紹介。さらに特別展示として、中国の禅僧・清拙正澄(せいせつしょうちょう)と楚石梵琦(そせきぼんき)による墨蹟2点(いずれも重要文化財)を修理後初公開します。今秋は永青文庫で、近代日本画と中国墨蹟の粋をご堪能ください。
重要文化財「黒き猫」とは
菱田春草が明治43年(1910)の第4回文展に出品した作品。柏の葉が金泥を用いて平面的に描かれるのに対し、猫は墨のぼかしによって柔らかな毛並みまで表現されているのが特徴です。その装飾性と写実性の調和が発表当時から高く評価され、春草晩年の代表作の一つと位置付けられています。この作品を真っ先に入手したのは、春草と親交が深かったパトロン・秋元洒汀(あきもとしゃてい、1869~1945)。発表前に売約済みであったといわれています。その後、大正期に入り洒汀から細川護立の手に渡りました。
※「黒き猫」は、前期(10/4[土]~11/3[月・祝])展示。
後期(11/7[金]~11/30[日])には、春草晩年のもう一つの代表作「落葉」(重要文化財)を展示します。
菱田春草(ひしだしゅんそう、1874~1911)
現・長野県飯田市生まれ。明治23年(1890)東京美術学校に入学。卒業後は同校の教員となるも、校長の岡倉天心に従って職を辞し、日本美術院創立に参加。明治30年代には横山大観とともに没線描法を試みますが、「朦朧体」と酷評されました。明治39年(1906)日本美術院の移転に伴い、大観、下村観山らと五浦へ一家で移住。明治40年(1907)第1回文展に「賢首菩薩(けんしゅぼさつ)」を出品し、二等賞第三席を獲得しました。この頃から眼病の兆候があらわれ始め、腎臓炎が原因の網膜炎と診断されます。明治41年(1908)治療のため代々木へ転居。病状が快方へ向かい、明治42年(1909)の第3回文展に「落葉」を出品して新境地を示します。翌年の第4回文展に「黒き猫」を発表して好評を博しますが、明治44年(1911)持病が悪化し36歳の若さで亡くなりました。
展覧会の見どころ
1.永青文庫の看板猫、より美しくなって再登場
永青文庫の所蔵品のなかで、公開時期などの問合せが最も多い「黒き猫」。そんな当館の看板猫が、修理を終えて再び皆さまのもとに帰ってきます!今回の修理では、絵具の剥落といった損傷を未然に防ぐための手当てをしました。本展では、その修理の様子もあわせて紹介します。より美しくなった姿をいち早くご覧いただける機会を、どうぞお見逃しなく。
2.近代日本を代表する画家たちの作品が一堂に
本展では、「黒き猫」や「落葉」(いずれも重要文化財)など、当館が所蔵する菱田春草作品全4点を前・後期に分けて公開。さらに竹内栖鳳、横山大観、下村観山、鏑木清方、小林古径、安田靫彦といった名だたる日本画家たちの作品を、一堂に展覧します。
3.永青文庫ならでは!画家との交流がわかる貴重なコレクションも
永青文庫の設立者・細川護立の近代日本画蒐集は、画家たちと親交を深めながら進められたところに特徴があります。そのため当館には、護立と画家の交流を示す作品や資料などが数多く所蔵されています。今回は、護立が依頼した手拭の下図、扇面など、当館ならではの貴重なコレクションも紹介します。
4.あわせて楽しむ中国墨蹟の粋
本展の後期には、中国墨蹟を特別展示!中国の禅僧・清拙正澄(せいせつしょうちょう)と楚石梵琦(そせきぼんき)による墨蹟2点(いずれも重要文化財)を、修理後初公開します。
展覧会開催に合わせて発行する『季刊永青文庫』127号では、「黒き猫」を徹底解剖!修理の様子、作品の制作背景など、専門家がそれぞれの研究分野から解説します。さらに、熊本大学永青文庫研究センター長・稲葉継陽教授による連載「細川家文書の世界」が約3年半振りに復活するほか、永青文庫の設立者・細川護立が購入したフランスの東洋学者アンリ・コルディエの蔵書(東洋文庫寄託)の魅力を紹介する「Flâneur」、慶應義塾大学名誉教授・髙橋智先生による「永青百冊」など、好評の連載を掲載します。
開催概要
展覧会名 | 永青文庫 近代日本画の粋―あの猫が帰って来る!― |
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会期 |
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会場 | 永青文庫 |
住所 | 112-0015 東京都文京区目白台1-1-1 Google Map |
時間 |
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入館料 |
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TEL | 03-3941-0850 |
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主催 | 永青文庫 |
特別協力 | 熊本県立美術館、ホテル椿山荘東京 |
交通案内 《バス》JR目白駅(「目白駅前」バス停)・副都心線雑司が谷駅 出口3(「鬼子母神前」バス停)より、都営バス「白61 新宿駅西口」行きにて「目白台三丁目」下車徒歩5分 《都電》都電荒川線早稲田駅より徒歩10分 《地下鉄》有楽町線江戸川橋駅(出口1a)より徒歩15分/東西線早稲田駅(出口3a)より徒歩15分 《ドコモ・バイクシェア》E2-14. 永青文庫 |
関連イベント
10/21(火) 細川護立生誕142年記念祭
永青文庫の設立者・細川護立の生誕142年を記念し、誕生日の10/21(火)当日に限り、ご来館された方にポストカードをプレゼントします。
※予定枚数に達し次第、配布を終了します。
新宿区立漱石山房記念館と「ねこ割」実施決定!
本展と同時期に、新宿区立漱石山房記念館では「《特別展》発表120年記念『吾輩は猫である』」(10/11[土]~12/7[日])を開催。両館の猫を楽しんでいただくため、「ねこ割」(入館料相互割引)を実施します。
※詳細は当館サイトをご覧ください。
永青文庫とは


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文京区立 肥後細川庭園
永青文庫に隣接する肥後細川庭園は、熊本藩主細川家の下屋敷跡で、目白台の自然景観や湧き水を活かした池泉回遊式庭園です。庭園内の「松聲閣」は細川家の学問所と伝えられる建物で、一時期は細川家の住まいとして使用されました。
https://higo-hosokawa-bunkyo.jp/
広報用画像一覧
重要文化財 菱田春草「黒き猫」 明治43年(1910) 永青文庫蔵 ※前期展示
重要文化財 菱田春草「落葉」(左隻)明治42年(1909) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)※後期展示
重要文化財 菱田春草「落葉」(右隻)明治42年(1909) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)※後期展示
菱田春草 「平重盛」 明治27年(1894)頃 永青文庫蔵 ※前期展示
菱田春草 「六歌仙」(左隻) 明治32年(1899) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託) ※前期展示
菱田春草 「六歌仙」(右隻) 明治32年(1899) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託) ※前期展示
横山大観「柿紅葉」(左隻) 大正9年(1920) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)※前期展示
横山大観「柿紅葉」(右隻) 大正9年(1920) 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)※前期展示
下村観山 「春日の朝」 明治42年(1909)頃 永青文庫蔵 ※前期展示
木村武山 「祇王祇女」 明治41年(1908) 永青文庫蔵 ※後期展示
小林古径 「鶉」 昭和9年(1934) 永青文庫蔵 ※後期展示
平福百穂 「花鳥図扇面」 永青文庫蔵
重要文化財 清拙正澄墨蹟「与鉗大冶蔵主法語」 中国・元時代(14世紀) 永青文庫蔵 ※後期展示
重要文化財 楚石梵琦墨蹟「無我省吾心華室銘至正丙午秋九月」 中国・元時代、至正26年(1366) 永青文庫蔵 ※後期展示
チラシ
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